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運転能力評価サポートソフト導入事例

お客様プロフィール

医療法人社団 敬仁会 桔梗ヶ原病院

住所:長野県塩尻市宗賀1295

一般病床45床
回復期リハビリテーション病棟入院料6 60床
療養病棟入院基本料2 40床

1.お客様のご要望(なぜシミュレーターが必要とされたのか)


運転支援の開始当初、当院では運転再開のための専門的なリハビリテーションプログラムが存在せず、一般的な脳血管障害に準じたリハビリテーションを行った後に、教習所の実車評価のみをもって運転適性の有無を判断していました。
その結果、患者の希望である運転再開と医療機関の提供する機能回復の間に大きな解離があり、運転支援の中で医療機関の果たす役割が不明確なことが課題でした。
背景に医療従事者の自動車運転に対する知識不足があり、今後は医療機関が主体となり脳血管障害者の運手支援を行う必要があると考えました。
そこで、医療の現場において患者の運転能力を確認する手段として、ドライブシミュレーター(以下DS)を導入しました。

2.導入の経緯


現場職員とともに運転支援の研究会や学会に参加する中で、医療機関で患者の運転能力を確認する手段としてDSがあることを知りました。
「走行コースの種類が多くて自分たちでは扱いきれないのでないか」という気持ちと「自分たちが運転支援を任せる側から評価する側に変われるかもしれない」という気持ちの間で揺れ動きました。
その後、当院の運転支援のあり方を検討する中で、2016年にDSを当院の運転支援に組み入れる事になりました。
導入に際して、機器の組み立てや初期設定は誰が行うのか、現場職員への説明はどうするのかなど不安はたくさんありました。
しかし、当日は株式会社マネージビジネスのご担当が当院に直接来て、機器の設置と使い方のレクチャーをしていただけたので、大きなトラブルなくDSを用いた運転支援を開始することができました。

3.お客様が実現できた事(導入の効果)


当院におけるDS導入による効果は、以下の3つとなります。
第一の効果は医療機関で患者の運転能力を評価できるようになったことです。教習所で行われる患者指導とアドバイスを取り入れ、sナビの使用経験を重ねることで、現場職員がsナビの評価結果を正しく患者にフィードバックすることができるようになりました。
第二の効果は運転リハビリテーションを提供できるようになったことです。当院でDSを用いた運転支援を行う中で、①運転能力の評価,②運転能力の再獲得や運転習慣の再学習のための訓練機器としての意義があるものと考えました。
その後、2017年よりDSを用いた運転リハビリテーションプログラムの運用を開始しました。
第三の効果はリハビリテーション病院で運転支援を行う意義が確立したことです。
現在当院では病気の後遺症に対してリハビリテーションを行い、機能回復により運転の可能性を高めた後に、残存する機能で運転再開が可能か否かを判断しています。
当院における運転支援の柱は、DSを用いた運転リハビリテーションであり、医療機関において患者の希望である運転再開のための専門的なリハビリテーションプログラムを提供できるようになりました。

4.今後の展望


ここ数年、当院では運転支援にたずさわる現場職員に対して院内研修を行ってきました。
その結果、現場職員が運転支援についての正しい知識を持ち、指導方法が一本化された運転リハビリテーションを患者に提供できるようになりました。
一方で、病院の外に目を向けると、DSは医療機関において運転能力を評価する一助となりますが、DSによる評価方法や活用方法について統一的な見解がないことが課題となっています。
今後は院外における啓蒙活動の強化を通じて、運転社会へ復帰を望む患者様への運転支援と運転リハビリテーションの取り組みを広げていきたいと考えています。